2024/07/22 お食事相談サポートシステム「もぐもぐ日記®」 に関する研究発表

 森永乳業クリニコ株式会社の運営する、クリニコ認定栄養ケア・ステーション「Eat for a Smile」では、「食べたいトキに食べたいモノを 食べたいヒトと 食べ続けられる幸せ」を目指して、『食べる力』をサポートするべく情報発信をしております。中でも、食べる入口である口を整えること、そのうえでしっかりと栄養を摂ることの重要性を、多くの方に理解していただきたいと考えております。
2024年4月1日には、日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会の3学会合同でオーラルフレイルに関するステートメントが公表されました。オーラルフレイルの概念・定義がわかりやすく整理されており、これにより、国民が口腔の健康に関心をもつきっかけとなり、健康で快活な長寿が送れることにつながると期待されています。当社も、流動食・栄養補助食品を扱うメーカーとして、併せてクリニコ認定栄養ケア・ステーションとして、オーラルフレイルの概念普及に協力※1しています。また、オーラルフレイル対策の一助となるべく、株式会社ORSOと共同開発をした歯科における口腔機能管理のうち、食習慣の視点をサポートするアプリ、お食事相談サポートシステム「もぐもぐ日記®」のサービスを2021年より開始しております。

今回、2024年6月28日(金)~30日(日)札幌にて開催された日本老年歯科医学会第35回学術大会において、弊社のお食事相談サポートシステム「もぐもぐ日記®」に関する2題の発表がありましたので、ご報告いたします。

1.学会概要

日本老年歯科医学会第35回学術大会 (https://www.k-cav.com/jsg35/)
「人生100年時代を切り拓く~口腔の健康を通して~」

2.発表内容および研究内容

◇演 題:食習慣サポートアプリの食品多様性への影響

【早川 美知¹、本川 佳子¹、坂田穏行²、加藤 麻奈²、白部 麻樹¹、岩﨑 正則¹³、大渕 修一¹、平野 浩彦¹⁴
(1. 東京都健康長寿医療センター研究所、2. 森永乳業株式会社健康栄養科学研究所、3. 北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学講座 予防歯科学教室、4. 東京都健康長寿医療センター 歯科口腔外科)】

低栄養傾向で咀嚼能力の低下した地域在住高齢者を対象に、3か月間のお食事相談サポートシステム「もぐもぐ日記®」を活用した食事のセルフチェックと管理栄養士による食事支援が食習慣に与える影響について検討した。その結果、食品摂取の多様性スコアを構成する10食品群のうち、魚介類及びいも類の摂取日数が有意に増加した。もぐもぐ日記®を使用したセルフチェックによって被験者の摂取食品が意識されたことや、管理栄養士による食事支援の中で実施した簡単な調理方法やメニュー提案が被験者の食習慣を改善させた可能性がある。

◇演 題:咀嚼機能の低下した高齢者における咀嚼回数ともぐもぐ日記® アプリ内指標『もぐもぐスコア®』の関連の検討

【加藤 麻奈¹、早川 美知²、白部 麻樹²、平野 浩彦²³、坂田穏行¹、川上 智美¹、宮地 一裕¹、本川 佳子²
(1. 森永乳業株式会社 健康栄養科学研究所、2. 東京都健康長寿医療センター研究所、3. 東京都健康長寿医療センター 歯科口腔外科)】

もぐもぐスコア®は、食事写真からAI判定を含む独自アルゴリズムにより算出される、食習慣チェックアプリ「もぐもぐ日記®」内の食事スコアの一つである。本研究では、アプリ利用者として想定される咀嚼機能の低下した高齢者の普段の食事において、もぐもぐスコア®と咀嚼回数の関連を検討した。咀嚼回数を目的変数、もぐもぐスコアを説明変数、舌圧、オーラルディアドコキネシス/ta/、咀嚼チェックガムによるガムスコアを調整変数とした重回帰分析を行った結果、もぐもぐスコアと食事当たりの咀嚼回数に有意な関連を認めた。食事写真から算出されるもぐもぐスコアは、利用者の食事当たりの咀嚼回数を反映する可能性が示された。

◇参考

■「もぐもぐ日記®」サービス概要
当サービスは、個人(患者様)ご使用の「スマートフォンアプリ」と歯科医院様ご使用の「オンラインモニタリングツール(月会費制)」で構成されています。「スマートフォンアプリ」と「モニタリングツール」を連携することで、アプリ内での食事の画像解析、モニタリングツールでの各指標やアドバイス例を確認することが可能です。アプリでは、「食品摂取の多様性※2」と「もぐもぐスコア®※3」から、食習慣を4タイプに判定し、ご自身の食事内容と食習慣の変化を確認できます。歯科では、個人の記録内容に基づくモニタリングから、「バランスの良い、よく噛む食習慣」のお食事相談が可能です。
※2:熊谷修 他、日公衛誌、2003  ※3:様々な食事の咀嚼回数などから独自に算出したスコア
学術指導:東京都健康長寿医療センター研究所 管理栄養士 本川佳子先生
UXデザイン・システム開発:株式会社ORSO

<クリニコ認定栄養ケア・ステーション(Eat for a smile)>
(公社)日本栄養士会認定「認定栄養ケア・ステーション」として、2018年10月より活動。森永乳業クリニコ株式会社として1978年の設立以降40年以上行ってきた食品の開発・販売だけではなく、介護予防を目的とした栄養や食事の情報提供も合わせて行うことを基本方針とし、地域住民のフレイル・オーラルフレイル・介護予防にも注力。「食べたいトキに 食べたいモノを 食べたいヒトと 食べ続けられる幸せ」 をサポートするという想いのもと活動。クリニコ認定栄養ケア・ステーションホームページ:https://www.clinico.co.jp/clinico/medical/carest/
<株式会社ORSO>
株式会社ORSOは、「ユーザー体験をデザインする会社」として、サービスを使う方々の思いや意図を利用シーンと共にデザインし、スマートフォンを活用したエンターテイメント分野をはじめ、ヘルスケア・スポーツ分野、ドローン・IoT分野等、な分野でユーザーファーストな体験を共創しております。
ORSOホームページ: https://www.orso.jp/     Facebook: https://www.facebook.com/ORSO.jp