vol.4 自宅で取り組む栄養アップのコツ

監修 嶋津さゆり先生
嶋津さゆり先生
(管理栄養士)熊本リハビリテーション病院
サルコペニア・低栄養研究センター
コーディネーター 吉村芳弘先生
(医師)熊本リハビリテーション病院
サルコペニア・低栄養研究センター センター長

1.退院後のお食事は、豊かな時間に

1.退院後のお食事は、豊かな時間に

ご退院、おめでとうございます。入院中の楽しみは「ごはんの時間」とよく言われますが、退院してからもごはんをおいしく食べられていますか? 入院中は、食事も治療の一環として、様々な病気に配慮したお食事が提供されていました。おうちに帰られてからのお食事は、病気の治療だけではなく、豊かな生活を送るために大切な時間ですね。病気とうまく付き合いながら日々の生活やその質を維持するために、退院後の食事についてのポイントを解説します。

2.体重減少に気を付けよう

2.体重減少に気を付けよう

入院中、体重の変化はありましたか? 退院後でも意識をして欲しいのが体重の変化です。体重が減ってくるとからだに悪影響が出ることが知られています。若い時には、体重が増えることに抵抗があったかもしれませんが、加齢に伴い適正な体重を維持することはとても大切なことなのです。実はぽっちゃり体型が健康長寿の秘訣だと言われているんです。体重計にのって、簡単で良いので日々の記録をつけてみませんか?

3.自宅で簡単、パワーアップレシピのご紹介

時には、食欲が無かったり、たくさんは食べられなかったりすることがあると思います。そんな時は無理せず、手軽にエネルギーやたんぱく質、水分を補給できる補助食品を取り入れるのもひとつです。からだを考えた栄養と、笑顔でおいしくいただきますができるように、ほんの少しの工夫でパワーアップができるレシピをご紹介します。

マグカップでふわとろ フレンチトースト

コメンテーター 岡田晋吾先生
岡田晋吾先生
(医師)医療法人社団守一会
北美原クリニック

おかえりなさい。在宅医からのエール

みなさんはお家に帰られてからの栄養摂取の重要性については理解されていると思います。でも、実際にどのような食事をすればいいのか? 自分に必要な栄養素は何か? など家に帰ってからあらためて戸惑うことも多いと思います。

入院中に体重が減った方はまず十分なエネルギーを摂取することが大切です。でも、なかなか食事が十分に摂取できなかったり、食事を作ることが負担になる場合もあるでしょう。そのような場合には、在宅スタッフに遠慮なく相談してください。食事を宅配してくれるサービスを利用したり、ヘルパーさんに食事を準備してもらうこともケアプランのなかに入れてもらうことができます。

家まで来てくれる管理栄養士(訪問栄養士)は病院で寄り添ってくれる嶋津さんのように、高度な知識と豊富なアイデアで患者さんに合わせた栄養サポートをしてくれます。塩分やたんぱく質の摂取量、血糖値、栄養補助食品の選択など、なんでも気軽に相談しましょう。