- 「リハビリテーション栄養」への取り組みを始めたきっかけを、教えてください。
- 川津
- きっかけは、2010年にESPEN(欧州臨床栄養・代謝学会)で「サルコペニア(筋⾁減少症)※」の診断基準が発表されたこと。その発表に同席した際の各国研究者の関心の高さなどから、今後「サルコペニア」という概念は、高齢化が顕著な日本国内でも普及すると考えました。
※サルコペニアとは、加齢や疾患によって活動量が減った結果、下肢や体幹などあらゆる部分の筋肉量が減少して身体機能の低下が起こる状態を意味します。
当社の経営理念である「QOLへの貢献」のひとつとして、⾼齢者や患者さんのADL(⽇常⽣活動作)改善を当社品でサポートすることは重要な使命であると考えています。当社にとって、今後はこの「サルコペニア」に対する栄養サポートも欠かせないものになると感じました。
しかし、当時は医療従事者でさえ「サルコペニアって何?」という状態で、新しい製品の開発を目指す私たちでさえ、どのような栄養素が必要なのか知見がありません。そこで、まずはサルコペニアとリハビリテーション栄養に関心を持っている医師にオピニオンリーダーとしての活動を相談し、当社としては手探りの状態で新しい概念の普及をサポートする取組みを開始しました。